はじめに
支出の全体像を把握し、削減ポイントを見つけよう
「細かくつけることはできていないが、家計簿はつけている」ということでしたが、つけた家計簿は集計したり、どのように支出してきたかを振り返ったりしているでしょうか。せっかく、「変わりたい」という思いから家計簿をつけ始め、行動を変化させられたのですから、きちんと活用できるように意識しましょう。
家計のやりくりはダイエットと似たところがあり、現状を知らなければ、減らしていくための目標を立てることができません。毎月何にいくら使って暮らしているのかを把握し、自分または家族のお金の使い方の癖を知ることができれば、どこが無駄な支出なのか、削減ポイントも見えてくるでしょう。
今回のために作った家計表が、毎月の家計と相違ないということであれば、どの費目も全体的に支出が多めであると感じます。特に、食費、水道光熱費、通信費、生命保険料、交際費を見直すことで支出額を減らせる可能性が高いでしょう。これらの費目を中心に支出の仕方を振り返り、ムダ支出を見つけ、削減していく方法を考えてみましょう。
「妻の出費」をコントロールするために、こづかい制導入の検討を
支出が全体的に膨らむ要因の一つとして考えられるのは、「妻の支出」が家計全体に散らばっているということがあります。ありがちなのは洋服代、化粧品代、ママ友関係費などが、被服費、娯楽費、日用品代、交際費などに含まれてしまうこと。今回は「交際費のほとんど」がママ友とのランチやお茶会等の付き合いや、ご自身の気分転換のためのカフェ代ということでしたが、他の費目にも紛れているものが複数あると思うのです。
その支出に上限を持たせるために、妻にもこづかいを設定すると良いでしょう。また、妻自身も、その支出がすべて必要なものなのか、ある程度頻度を少なくするなどの調整ができるのかなど検討してみましょう。
また、化粧品代などの日用品には毎月いくら程度必要なのかを把握しましょう。こづかいの中でやりくりするといっても、必要なものを購入できないような無理のある金額設定にしても、意味がありません。ムダな支出は除き、必要な金額でこづかいを設定してみましょう。
月の収入の中で暮らせるようになったら、お金の置き場の検討を
支出を削減させ、月の収入の中で暮らせるようになったら、お金の貯め方、貯める場所について考えてみましょう。今は財形貯蓄であっても低金利。必要以上の金額を貯金で持っていてもお金は増えません。生活防衛資金やこの3年以内に使うお金以外は、運用することを考えてみてはいかがでしょうか。毎月の余剰金を使ってもよいですし、ボーナスを計画的に積み立てるやり方でもよいでしょう。
お子さんの教育費は、大学進学を目標に貯めれば十分なケースが多いもの。ご相談者のご家庭も、あと15年ほどの時間があると考えられます。財形貯蓄も含めて考えると、生活防衛資金(月の生活費の1年分相当以上)があります。ですから、つみたてNISAなど非課税でリスク(不確実性)の少ない投資信託への積立投資を始めてみても良いと思います。
もちろん投資に抵抗があるという場合は無理をしなくてもよいのですが、投資信託の積み立てでは運用益はそう大きくなくても、複利の力で資産を増やしていける可能性があります。そうすると、目標とする教育費額が予定より早く貯まるかもしれませんし、老後資金作りもはじめられるかもしれません。
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