はじめに

日本のリモートワーカーは何が不安?

ロイドレジスターの調査結果を見る限り、日本の職場環境はほかの国々と比べストレスが高くありません。しかし、実は表面化していないだけで、日本でも多くの人が強いストレスに晒されているようです。

カオナビが2020年8月に実施した調査によると、「リモートワーク中心の働き方」をしている人は強いストレスを感じていました。

「仕事以外」の時間が増加

カオナビは、「勤務時間の半分以上は出社せずにリモートワークで働き、それ以外は就業場所に出社している」人と、「基本的に毎日、リモートワークで働いている」人を「リモートワーク中心の働き方」をする人と定義しました。

これらの人に働く時間が増えたかどうか尋ねたところ、「変化なし」が52.0%でもっとも多く、「増えた」が20.0%、「減った」が27.0%という結果でした。在宅勤務をしている「仕事終わりが曖昧になりがち」「休憩を取らずに働いてしまう」といった意見はあるものの、意外にも時間の増えた人は多くありませんでした。

また、オフィスへ通勤する必要がなくなった結果、以前とは時間の使い方が変わったはずです。この調査では、調査対象300名のうち、「変化がない」人は3名に過ぎませんでした。そして、残る297名のうち85.2%は、本業の労働以外で「リモートワークを始める前よりも、費やす時間が増えた活動」が「ある」と答えています。

時間の増えた具体的な活動は、世帯のタイプによってやや違いがあります。全体的には、多いものから次のような項目が並ぶ傾向にあります。

・趣味や余暇活動の時間
・睡眠の時間
・家事・育児の時間
・特に何もせず、のんびりする時間
・運動する時間
・仕事につながる自己研鑽・学習の時間

ただし、「家族・友人など親しい人と過ごす時間」だけは世帯タイプの違いがはっきりしています。「同居人あり、子供あり」世帯および「同居人あり、子供なし」世帯でもっとも多かったのに対し、「単身」世帯では極めて少なくなりました。


出典:カオナビ / リモートワークで生まれた余裕と不安

仕事面での不安は高まる

仕事以外に使える時間が増えて充実した生活を送れるようになった反面、リモートワークに不安を感じる人も大勢います。

調査では、全体の77.3%が何らかの不安を抱えていたそうです。リモートワークで不安に感じること、という観点で具体的な項目を選んでもらったところ、以下のような結果になりました。

不安に感じること 選んだ人の割合
自分の仕事の質や生産性 27.0%
部署、チーム組織としての成果や提供価値 23.7%
自分がさぼっていると、周りに思われている 22.3%
重要な情報を知ることができていない 19.0%
他の社員の業務で問題が起きたときに、気づけない 18.0%
中長期的に、自組織の業績が下がる 16.0%
周りがさぼっている 12.7%
中長期的に、給与などの待遇が下がる 12.0%
将来のキャリア 11.3%
問題が起きたときに、周りに気づいてもらえない 9.3%
漠然とした不安 8.3%
失業 8.0%
健康(新型コロナウイルスの感染以外) 7.0%
周りからの評価が下がる 6.0%

不安に感じる項目は多岐にわたりますが、本質的にはロイドレジスターの調査レポートで示されたストレス悪化と同様なのでしょう。

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