はじめに

オンライン証券会社を選ぶ理由

正直なところ、これから証券会社に口座を開設するのであれば、オンライン証券会社で十分と言えます。売買手数料などのコストが割安ですし、投資信託をはじめとして取り扱っている商品の種類も実に豊富です。

前回、証券会社でなければ投資できない商品のひとつとして外国株式を挙げましたが、この点についても対面型証券会社とオンライン証券会社を比較した場合、明らかに後者に軍配が上がるので、やはり証券会社に口座を開くならオンライン証券会社が良い、ということになります。外国株式に関連した情報を豊富に提供しているかどうか、外国株式の取扱銘柄数はどの程度なのか、コストはどうなのか、迅速な売買発注・約定は可能かといった点を比較して、選べば良いでしょう。

また、もうひとつ証券会社を選ぶ際に重要な点があります。それは、証券会社の経営状態です。

証券会社の数は、この10数年で結構減りました。2008年12月時点で、日本証券業協会の会員者数は322社でしたが、2021年3月現在のそれは268社です。合併で減った分もありますし、廃業を決断したところもあります。

もちろん株式や債券、投資信託などの有価証券はすべて分別管理が徹底されているため、保護預かりにしてもらっている証券会社が廃業や倒産したとしても、これら投資家の財産は保全されます。

ただ、廃業や倒産した証券会社の業務を引き継ぐ、別の証券会社が現れない場合は、他の証券会社に口座をつくってそこに有価証券を移管させたり、投資信託の場合は繰上償還を余儀なくされたりします。それはそれで手間なので、相応に経営規模が大きいところに口座を開いた方が無難でしょう。

ちなみに「地場証券」といって、地方の特定地域を営業エリアとしている小規模な証券会社は、一段と生き残りが厳しくなります。今後、地場証券については証券業から撤退し、投資アドバイザーなどへの業態転換を図るところが増えそうです。

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