はじめに
年金が満額もらえれば生活費は賄えるけれど…
では、次に65歳以降の生活費も見てみましょう。ご相談者さんの年金の金額の詳細が分かりませんので、仮に私の方で想定して試算してみます。
仮に大学を卒業してから45歳まで現在の会社で働き、退職後も60歳まで国民年金を支払い続けたとします(未納期間なし)。そうすると、ご相談者さんの給与水準などからざっくりと試算すると、年金の金額は年間160万円程度となり、月額で約13万円程度になります。
ですから、65歳以降の毎月の生活費も13万円程度見積もるのであれば、年金で暮らせることになります。
ただし、高齢になると、病気になったり、介護が必要になったりするケースが多く、医療費や介護費用として1人あたり500万円程度必要といわれています。また、シングルで重度の介護状態になってしまった場合には、自分では何もできないため、老人ホームに入るという選択をする必要がでてくるかもしれません。エリアやホームにより費用には違いがありますが、一般的に民間老人ホームに入るとなると、入居時の一時金の費用として500万円〜1,000万円、月額の費用は毎月20万円〜30万円程度かかります。
仮に80歳から90歳まで民間の老人ホームに入ると仮定して、入居一時金500万円、毎月20万円程度かかるとします。そうすると総費用は、2,900万円、上記の医療、介護費用と合わせて3,400万円必要になります。
特別支出も忘れてはいけない
他には、特別支出も気にしておく必要があります。特別支出の例としては、「家具・家電の買い替え」「固定資産税」「住民税」「自動車税」「家のリフォーム代」などがあります。特別支出は、老後の生活に限らず考えておく必要があります。特別支出に要するお金をあいまいにせずに、いつの時点でいくら必要なのかしっかりと「見える化」しておくことが大切です。また、老後も旅行を楽しみたい、趣味も楽しみたいとなると、その分の費用も考慮しておく必要があります。
ご相談者さんの場合、65歳の時点で、5,000万円以上の資産がある試算になっているので、特別支出を考慮しても、なんとか資産は持ちそうです。