はじめに
必要な保険の種類を見極めるには
複数の生命保険に入られていると思いますが、どういった種類に入られているのか、きちんと理解されているでしょうか。
保険には「医療保障」「死亡保障」「貯蓄性」という3つの機能があります。人生の段階において、これら全てが必要な時はまず、ないと言えます。単身者や共働きでご夫婦のみという場合は医療保障、特に心配があればがん保険や三大疾病保障保険等を検討します。
お子さんが生まれるなど、生活の保障をすべき家族ができた場合、医療保障に加え、死亡保障への加入を検討します。一時金が受け取れるものだけではなく、万が一の時に保険金をお給料のように受け取れる収入保障保険も、十分に検討の対象になり得ます。
公的な保障で不足する金額を保険で賄う
これらの必要保障額を考えるときには、公的な保障がいくらもらえるのかも念頭におく必要があります。ケガや病気で仕事を休む時に、傷病手当金がもらえるのかどうか。高額療養費制度を使うと、医療費の自己負担はいくらで済むのか。万が一死亡した時には、遺族年金が遺族にいくら支給されるのか。これらを利用してなお、不足する医療費や生活費を保険に頼ろうと考えると、必要な保障が見えてきます。
「貯める」ことを目的とするなら保険は勧められない
貯蓄性の保険は、「貯める」ことを目的として入るのなら不要だと考えています。今は保険の予定利率が良くなく、増やすことを目的とする場合は効率が良いといえる状況ではありません。昔の利率の良い保険なら保有し続けることをお勧めできましたが、今なら「貯金は貯金、保障は保障」と切り分けて考えるのが適切です。
保険募集人のトークにより、「両方兼ね備えている良い保険商品」と説明されることもあるかもしれませんが、長期間、積み立てているお金が引き出せないと、お金の価値が下がるインフレリスクも懸念されます。そういう理由で、私はお勧めはしていません。
以上のことを参考に、今契約されている保険の保障内容を調べてみましょう。自分で良いと思って加入されたものなので、内容が適切かどうか客観視することは難しいでしょう。そのような場合は、ファイナンシャルプランナーに相談をされることもお勧めします。ただし、中身はいわゆる「保険屋」という人も多くいますので、気をつけて相談相手を選びましょう。絶対ではありませんが、一つの目安としては、有料で相談を受けている人を対象にした方がよろしいかと思います。