はじめに

最近は、共働き世帯がとても多くなっています。そこで増えているのが、夫婦2人で住宅ローンを利用する方法です。

共働き世帯の住宅ローンの借り入れ方法として、主なものは3つあります。

(1) 夫婦どちらか1人が借り入れし、2人の持分にする方法
(2) 夫婦2人で借り入れをする「ペアローン」
(3) 1人が契約者となり、もう一方が連帯保証人となる方法


夫婦どちらか1人が借り入れし、2人の持分にする方法

夫婦どちらか1人が住宅ローンの契約をして、もう一方が頭金を払うことで、2人の持ち分にすることができます。

例えば3,000万円の家を購入する場合、妻が300万円を頭金として払い、夫が2,700万円のローンを契約することで、妻が1/10、夫が9/10の持ち分を持つことができます。

ただし、住宅ローン契約をしているのは1人のため、住宅ローン控除、団体信用生命保険の適用がローン契約者のみになる点に注意が必要です。

もう一方も持ち分を持つことで、住宅ローンの契約上、「担保提供者」となり、契約書にサインをするので、ローン契約者が1人で勝手に契約内容を変更したり、家を売却したりすることなどはできなくなります。

売却した場合も、持ち分の割合を受け取ることができます。

夫婦2人で借り入れする「ペアローン」とは?

夫婦2人とも安定した収入がある場合、1つの物件に2人で住宅ローンを組むこともできます。

例えば3,000万円の家を購入する場合、夫2,000万円、妻1,000万円のローンを契約します。2人別々にローンの申し込みをし、それぞれ審査が行われます。2人とも審査に通らなくてはならないので、各自の収入に合わせた借り入れ金額を決めましょう。

この場合は、持ち分も持つことができ、住宅ローン控除、団体信用生命保険もそれぞれ適用されます。この2つの点にメリットを感じ、この方法でローンを借り入れする共働きの方はとても多いです。

1人が契約者となり、もう一方が連帯保証人となる方法

連帯保証人とは「債務者の返済を保証する人」です。この場合、住宅ローン控除は債務者のみ、ローンの名義も債務者のみですが、審査上では債務者の収入に連帯保証人の収入を合算することができます。

例えば3,000万円の家を購入する場合、債務者である夫が3,000万円のローンを契約、連帯保証人として妻の収入を合算して審査できますが、妻には借り入れはなく、持ち分もありません。

夫または妻1人では収入が少なく、必要な金額のローンを組むことができない場合に連帯保証人を付けます。

この方法で注意しなくてはならないのは、実際の債務者は夫1人にも関わらず、妻の収入も合算しているため、借り入れ金額が多くなってしまい、毎月の返済が負担になってしまう場合があることです。

共働き世帯が増えたことで、それに合わせた借り入れができるよう、さまざまなローン商品が出ています。住宅ローンは長期間利用するので、それぞれの世帯に合った借り入れ方法を見つけ、安心して返済し続けられるようにしましょう。

執筆:田中 麻依
ファイナンシャルプランナー。学習院大学経済学部卒業後、銀行にて住宅ローンや無担保ローン等、個人のローン取次業務に5年間従事。現在は、別会社にて勤務しながら、これまでの経験・知識を活かし、個人として活動中。FP技能士2級、日商簿記2級、証券外務員1種。趣味は、フルート、セルフネイル、旅行。
(記事提供:Mocha

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