はじめに

 

お金の「置き場所」を整える

お金の理想的な「置き場所」は、その目的により異なります。目的には「使う」「貯める」「増やす」の3つがあります。

「使う」は、いわゆる生活費で、1カ月分の生活費に加え、臨時支出に備え0.5カ月分のゆとりを持たせた1.5か月分を予算とします。収入が入る普通預金などに入れておくものです。

次の「貯める」は、「使う」がしっかりできてから作るもので、万が一の時の「生活防衛資金」となるものです。月の生活費の6〜12カ月分を目安にします。これも現金で持ちます。しかし「使う」とは「置き場所」を切り離し、別銀行の普通預金や財形貯蓄、定期預金などで持ちます。入学金など目的のある支出に備えたお金は、この生活防衛資金とは別に持ちます。

そしてこれ以上のお金は「増やす」ためのお金とします。しばらく使わないお金は、投資などをして増やしていくとよいでしょう。つまり、「置き場所」は証券口座等になります。

「増やす」に偏りすぎた家計のバランスを整える

これと比較すると、ご相談者の資産は「使う」「貯める」が不十分で、「増やす」に偏っているということがお分かりになると思います。

もし、今の持ち株を売却して、現金化することが難しければ、家計を整えて貯金を増やしましょう。かつ、持ち株ではない投資方法に変えても良いかもしれません。家計改善が成功すれば、つみたてNISAやiDeCoなど、もう少し安全性のある運用方法を利用して、老後資金作りを目指すことも現実的になると思います。

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