はじめに
どこまで思考を拡大できるかが勝負
さて、練習をしてみましょう。それでは、今後は電気自動車が普及すると仮定して、その場合はどの会社の株に投資をすればよいのでしょうか?すぐに思い浮かぶのはトヨタやホンダなどの自動車を作っている会社でしょう。しかし、それはまったく思考が広がっていません。もっと関連する産業などを考えていくのです。
ちなみに子どもたちからは意外にも自動車を作っている会社の回答は出てこず、大元の電気を作っている会社、つまり電力会社への投資がいい、または電気自動車を作るときに重要な部品を作っている会社に投資したいという回答が出ました。まだ小さいのにしっかりと連想できていて素晴らしいと思いました。
電力供給で言えば、電力会社はもちろんですが、最近では家電小売り企業も太陽光発電による売電などもしているので、その観点では投資対象になるでしょう。また、重要な部品という観点では、リチウムイオン電池や全個体電池などを作る電池企業や、電力を動力に効率的に変換するパワー半導体を増産できる会社なども含まれるでしょう。
このように、まずは世の中全体の変化を予想し、その変化が自然発生するものなのか、更には国が推し進めたい変化なのかを考えていきます。変化が起こる確率が高いと考えたら、つぎはその変化によって追い風を受ける産業を、最後に当該産業に属する会社のなかから、有望と思われる投資先を選んでいく順番で、銘柄選定をしていけばいいのです。