はじめに

海外暮らしの資金をシミュレーションしてみよう

相談者様は65歳で退職し、セカンドライフをスタートさせるようですね。セカンドライフのなかの大きな目的として海外旅行やロングステイがあるのですが、まずはどれくらいの費用がかかるのか、シミュレーションしておくことが必要です。

年2回の海外旅行の費用はどのくらい?

年2~3回、海外旅行を希望されていますが行く先によって必要となる費用は変わってきます。毎年、毎回同じ国や地域に行くわけではないと思いますので、自分たちが行きたい国や地域にいくための費用はどれくらいになるのか、確認しておきましょう。

パッケージツアーを利用するのか、個人で手配するのかによって価格は違ってきますが、たとえば年に2回海外旅行をする場合を考えてみましょう。

7年間のうち毎年2回、アジア方面へ3泊4日、欧米方面へ7泊8日旅行した場合、夫婦二人ではアジアで20万円、欧米で60万円かかると仮定すると、7年間で560万円かかる計算になります。

まずはロングステイビザの発給要件を確認

3年間をタイ、バンコクで生活する場合の費用を考えてみます。

ご存知だと思いますが、海外で長期間滞在する場合にはビザが必要になります。相談者様が利用するロングステイビザの発給要件は、年齢満50歳以上となっていますが、これはクリアできています。その他の金銭的要件としては、

(1)最新月のもので預金残高が80万バーツ(約240万円)以上あること。
(2)年金による収入が月6万5,000バーツ(約19万5,000円)以上、または年収が80万バーツ以上であること。
(3)預金残高証明書と年金による年収の合計が80万バーツ以上であること。
とされています。
※タイ国政府観光庁HPより

相談者様の場合、現在の預金残高は1,700万円、投資信託評価額2,400万円+予定の3,900万円、退職金として1,200万円があります。あくまでも仮にですが、合計で9,200万円ある計算になります。年金見込み額も夫婦二人で340万円ですので、(1)〜(3)の全ての要件をクリアすることができます。

ロングステイの費用の目安は?

バンコクに住む場合、毎月の費用は、お小遣いを含めて約16万円を見込んでおいてください。その場合、3年間現地でかかる費用は、約576万円です。その他にも日本の自宅を維持する費用が必要になります。

海外旅行費用およびロングステイ関連の費用をすべて預貯金等で賄った場合、1,136万円ですので(ビザ発給のための240万円はデポジット)、8,000万円は手元に残る計算です。

ただ、ビザの発給要件は変わることがあります。必ず最新の情報をチェックするようにして下さい。また、今回のコロナ禍のような非常事態がいつ訪れるか分かりません。安心してロングステイ生活を送るためにも、速やかに日本に戻れるよう、行きやすく帰りやすいように準備をしておくと安心です。

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