はじめに

内閣支持率と株価の関係

衆議院解散、そして選挙が近づくと、その結果を予想する上で内閣支持率が注目されます。NHKが8月10日に発表した世論調査によると内閣支持率は29%でした。これは菅内閣スタート以来で最低水準です。新型コロナ感染が広がるなか、その対策への厳しい評価が反映されたとみられます。

この内閣支持率ですが株価との間に密接な関係があることは、以前、この連載の「総裁選が転機?『内閣支持率が上がると株価上昇』は本当か」でも取り上げました。支持率が高いことは、内閣が強いリーダシップを発揮でき、例えば経済政策なども実行しやすいということや、基本的な国民の満足度が高い環境であるなどから、株価が上がる傾向と見られます。

ここで、内閣支持率と日経平均株価を並べて見てみましょう。

内閣発足時に新内閣への期待から支持率は高まります。その後一旦、下落する習性があるため、単純に株価との関係を見るのは難しい面もあります。とはいえ、次の傾向は見て取れます。昨年9月の菅内閣発足で高まった期待から、支持率は62%まで高まりました。日経平均株価もその流れを受けて上昇していました。しかし支持率が先行して下がるなかで日経平均株価も足元にかけて弱含んでいます。

新型コロナ感染者は8月9日に全国で新たに1万2,073人確認されました。1万人を上回るのは7日連続と感染が拡大しており、内閣支持率にとって厳しい環境です。今後、国民のワクチン接種率が更に高まり感染者数が抑えられてくれば、支持率上昇と株価も再び上昇への期待が高まるかもしれません。

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