はじめに

サッカー男子日本代表の試合結果が翌日の日経平均株価に反映

日本の金メダル数が2ケタに達した大会は、1968年メキシコ大会以降、日経平均株価は大会期間中に上昇しました。2ケタになった今回の東京大会も1.2%と低めの上昇率ですが、大会期間中の日経平均株価上昇は維持されました。

ちなみに10個に到達しなかった大会は、2012年のロンドン大会を除いてすべて大会期間中に下落しています。ロンドン大会の金メダルは7個と少なかったのですが、銀・銅を含めたメダル数が38と当時で史上最多となりマインドに大きくプラスに働いたと考えられます。金メダル10個が、大会期間中の日経平均株価が上昇するか下落するかの閾値と言えるでしょう。

今回のオリンピック競技の中でも視聴率から見て人々の注目度が高かった、サッカー男子日本代表の試合結果と日経平均株価との間の関係も興味深いものがあります。日本代表と翌営業日の日経平均の関係は、これまでのワールドカップなどの結果からも明白です。例えば、ワールドカップ初出場を決めたジョホールバルの歓喜と言われる1997年11月のイラン戦は視聴率が翌日の日経平均株価が北海道拓殖銀行の経営破綻のニュースにもかかわらず1,200円高の上昇となりました。

今回の東京オリンピックでも、男子サッカーの視聴率は高く、3戦全勝だった1次リーグの試合が行われた翌営業日の日経平均株価は上昇しました。2対1で勝った7月25日のメキシコ戦の翌日26日の日経平均株価は前日比285円高でした。4対0で勝った28日のフランス戦の翌日28日の日経平均株価は前日比200円高でした。ちなみに1対0で勝った22日の南アフリカ戦の翌日は休日でした。試合の後の最初の営業日は26日になるので、日経平均株価は前日比285円高でした。7月31日のニュージーランドとの準々決勝は0対0のあと、PKで勝利しました。一番近い営業日の8月2日の日経平均株価は前日比497円の上昇でした。

8月3日のスペインとの準決勝は延長後半に点を入れられて0対1で惜敗しました。翌4日の日経平均株価は前日比57円の下落でした。もし、スペイン戦に勝利し史上初の銀メダル以上を確定していたら、日経平均株価の違った展開が待っていたかもしれません。

また、オリンピック開催年・年末の開催国の株価指数の前年比をみてみましょう。1984年ロスアンゼルス大会以降2016年のリオデジャネイロ大会までの連続する9大会では、ソウル大会、アトランタ大会、シドニー大会、アテネ大会、ロンドン大会、リオデジャネイロ大会の6回が上昇、ロスアンゼルス大会、バルセロナ大会、北京大会の3回が下落となっています。

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