はじめに
住宅の販売において、「賃貸よりも、老後に物件が残る購入のほうがよい」という売り文句をよく聞きます。確かにそのような面はありますが、他にも多くの違いがあります。
今回は、購入と賃貸は何が違うのか、重要な点を整理してみたいと思います。
購入と賃貸を比較
建物の利用権
建物の利用権は、購入は所有権(以下、所有権を持つ人を所有者とします)、賃貸は賃借権となります。「所有権は強い権利」のイメージがありますが、賃借権のほうが強い場合もあり、「どちらかが絶対に強い」とは言えません。
建物の賃貸も購入も、建物を「利用」できる点は同じです。また、購入して自分で使うなら「所有+利用」、購入して人に貸すなら「所有」のみ、借りて利用する(賃貸)なら「利用」のみとなります。
必要な費用
購入の場合、土地建物の購入代金、購入時の諸経費以外に、毎年の固定資産税の支払、毎月のローン金利の支払などが必要となります。賃貸の場合、賃料・更新料など、契約書に記載された費用を払い続ける必要がありますが、その他の費用は基本的に払う必要はありません。