はじめに

将来の懸念

将来の住宅価格の予想は難しく、購入の場合、住宅価格の変動は所有者の負うリスクになります。高度成長期はどの住宅の価格も上昇しましたが、現在はそうとは限りません。

また、多くの人が30年から35年の長期の住宅ローンを利用します。ローン返済期間中は、貯蓄と余裕資金が制限されるため、購入前にこれからの人生の資金計画を十分に練る必要があります。この際に住居の修繕費用も十分考慮しなければなりません。ただ、マンションでは古くなり大規模修繕が必要な場合でも、住人間で合意できずに修繕できないリスクもあります。

一方、賃貸の場合、退職後は借入できる物件に制限がかかり、概ね70歳を超えると新しい契約をするのが難しくなります。この時点では、現金の準備や住宅ローンの借入も難しい可能性が高く、購入代金の支払い計画をたてやすい50歳ごろまでには、今後も同じ住宅に住み続けるか、移転するか、購入するかを考える必要があるでしょう。


購入と賃貸には多くの違いがあり、人によってはそれが長所にも短所にもなります。それぞれの違いを知ったうえで、「自分が住宅に求めることは何か」を考えることが大事ではないでしょうか。

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