はじめに

似て非なる「政府閉鎖問題」とは

最後に、債務上限問題と並んで紛らわしい政府閉鎖問題についても補足しておきます。米国の財政年度は10月から翌年の9月までですので、米国の年度本予算は9月30日で失効します。近年では9月までに翌年度の本予算が成立することはほとんどなくなっており、かわりに1~3ヵ月程度の暫定予算を成立させ、その間に本予算を成立させるということが常態化しています。

もし暫定予算が成立しないと10月1日以降の財政支出の根拠が無くなるため、政府機関が閉鎖に陥ります。政府閉鎖問題は今回のようにしばしば政府債務の上限問題と同時に発生しますが、それぞれ独立した全く別個の問題です。

筆者の集計によるとこれまでに生じた政府閉鎖は1995年以降で5回あります。期間もさまざまですが最長でも34日であり、半年以上続くケースもある債務上限抵触と比べれば早く終わります。債務上限抵触の影響は小さい(特に終盤になるまで国債発行含め影響はほぼ生じない)ですが、政府閉鎖は公園、博物館などの公共機関の閉鎖により国民生活に直ちに影響するため(市場参加者にとっては経済統計の発表停止なども影響しますが)、債務上限よりも妥協が生じやすいと言えます。

今回は財政年度の最終日である9月30日に12月3日までの暫定予算が成立したことで、政府閉鎖が回避されました。しかし、12月3日に向けて再び政府閉鎖への懸念が再度高まる展開も十分あり得ます。

※内容は筆者個人の見解で所属組織の見解ではありません。

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