はじめに

いろんな経験を経て「正解」にたどり着くことが大事

会社帰りにお話を聞かせてくれた山辺さん。人のせいにする人は投資に向いていない、「大人じゃないと」と語る

――山辺さんご自身、ETF投資でプライベートなどに支障が出るほど注視してしまうことってあるんですか?

「支障というほどではないかもしれませんが、たとえば昨年末の米大統領選挙があった日は、やはり意識をかなり持っていかれていましたね。午前中にトランプさんの優勢が伝えられて、円高にふれてガンっと値が下がるようなら昼休みにでも買い注文をいれようかなと。その機動性がETFの良さでもあるんですけどね。投資信託だと翌日約定(※2)なのでそのときは買えませんから。でも、そういう良さって結局はいろいろな投資を経験してみないと実感として分からないんですよね」

※2:投資信託は、その日の取引が終わった後で基準価額が決定する。よって、買い注文を出したとしても、その日市場が閉まるまで値段はわからない

――山辺さんもいろんなやり方を経たうえで、ETFに行きついたわけですもんね。

「私にとっての正解は国内ETFでしたが、正解を選ぶこと(初めからETFを選ぶこと)と、正解にたどり着くこと(様々な金融商品を経て最終的にETFを選ぶこと)は似て非なるものだと思います。初心者はまず、少額でいろいろな金融商品を売買してみて、実際に体験してみるのがいいのではないでしょうか。そのうえで、自分に合うものを選択すればいい。試してみた結果、私のように投資信託の積み立てが退屈だと感じたり、個別株売買で痛い目を見たり、疲れてしまった人にはETFをおすすめできると思います」

(文:榎並紀行/やじろべえ)

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