はじめに
頭金と諸経費で約500万円の費用、住宅ローン減税は利用できない
今では頭金なしで借り入れできる金融機関もありますが、頭金とは別に手付金(販売価格の1割)を支払う必要が生じるケースがあります。
Aさんの契約では手付金300万円が必要となります。なお、頭金を入れることで、返済負担が減り、審査に通りやすくなり、さらには借入金利が下がる、とアドバイスをもらったことから、手付金を含めて320万円を頭金にすることにしました。その他に、ローン借り入れの手数料、契約時の印紙代、登記費用、修繕積立基金や管理準備金、火災保険料、不動産取得税、固定資産税など約180万円の現金が必要になります。
支払いのスケジュールは、契約時に手付金300万円、引き渡しまでに約200万円(頭金の残額20万円と購入時にかかる費用180万円)で合計500万円にまで膨らむことになります。貯蓄から出すと手元に残るのは100万円ほど。現在、年間の家計収支はプラス100万円ですが、マンション購入後は住宅ローン以外に毎月の管理費と修繕積立金、固定資産税と火災保険の支払いが発生します。その額は概算で約35万円、月に換算して今より3万円高い家賃を支払うイメージになります。
そして惜しいことに、Aさんの場合は住宅ローン減税制度を利用することができません。住宅ローン減税制度では、毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り、所得税の額から控除されます。ただし、給付にはいくつか要件があります。検討している住戸は36平米のため、要件である床面積40平米以上に合致せず、給付を受けることはできないのです。仮に給付が可能な場合、約266万円になりますから結構な額になります。(国土交通省・すまい給付金HPにて試算)せっかく購入するのですから住宅ローン減税は利用したいものです。