はじめに
まずは資金の流出入を把握する
では、何を参考にすれば良いのでしょうか。
まず、自分がどの資産クラスに投資するのかを決める必要があります。たとえば株式という資産クラスに投資するならば、日本株式なのか米国株式なのか、あるいは世界中の株式市場に分散投資するグローバル株式なのか、ということです。20年後、30年後の世界経済の成長を取りたいのでグローバル株式型の投資信託を買おうと考えているのであれば、たくさんあるグローバル株式型投資信託の中から、どれかを決めなければなりません。
それを決める時に大事なのが資金流出入の状況です。資金の出入りが激しいと、優秀な運用者でも運用成績を上げにくくなります。継続的かつ安定的に資金が流入していれば問題はないのですが、頻繁に大きな額の解約が生じると、常に一定規模のキャッシュを持つ必要がありますし、解約注文が出るたびに保有しているポートフォリオの一部を売却せざるを得ず、そのまま保有し続ければ得られたはずの利益を失うことになり、それが運用成績の低下を引き起こします。
したがってまず純資産総額を一定金額で足切りします。たとえば100億円程度の純資産総額であれば繰上償還リスクも減りますし、運用者もある程度真剣に運用してくれるはずなので、100億円以上の投資信託をピックアップしたうえで、資金の時系列の出入りをチェックします。モーニングスターのホームページには個別ファンドの資金流出入状況が掲載されているので、それを参考にすると良いでしょう。
資金が安定していれば絶対に運用成績が良くなるとは言いませんが、良い運用成績を維持するための条件のひとつは、運用資金の安定性なのです。