はじめに

運用管理費用の代行手数料分が高いことの不思議

運用管理費用の内訳は目論見書に詳しく記載されているので、ご自身でも確認されると良いと思うのですが、たとえば年間の運用管理費用の料率が全体で2%だとしましょう。

このうち受託銀行が受け取る額は、年0.1%前後です。年2%から年0.1%を差し引くと、残るは年1.9%であり、これを投資信託会社の運用管理費用と、販売金融機関の代行手数料とで分け合います。

問題はそのバランスです。

確かに販売金融機関に売ってもらわなければ、投資信託にお金は集まりません。投資信託会社が直接、顧客に自社運用ファンドを販売する直接販売もありますが、現状、販売金融機関を経由して売られている投資信託が大半を占めています。

加えて、顧客接点の窓口として存在することにより、顧客から購入代金を受け取ったり、解約代金や償還金を支払ったりする作業がスムーズに運びます。だから販売金融機関にも一定のフィーを付与するのは当然なのかも知れませんが、そうだとしても両者のバランスが悪すぎるのです。

たとえば上記の例で、年1.9%を分ける場合、投資信託会社の運用管理費用が年0.95%、販売金融機関の代行手数料が年0.95%というように、同率のファンドが結構多いのです。昔は、なぜか代行手数料の料率が高めに設定されているファンドもありました。

このように、投資信託会社が受け取る運用管理費用に比べて、販売金融機関の代行手数料が高めに設定されているのは、投資信託会社と販売金融機関の力関係で、販売金融機関が強いケースです。過去においても、販売金融機関の子会社という位置づけの投資信託会社が運用し、もっぱら親会社である販売金融機関でしか販売されていない投資信託に、こういうパターンが見られました。これは親会社の懐を潤すために、子会社である投資信託会社が投資信託を運用しているという構図でもあります。不純だとは思いませんか。

販売金融機関も投資信託に関連した作業を行っているので、妥当なフィーを得る権利があるという意見はもちろん正しいと思います。

でも、だからといって投資信託の運用を行っている投資信託会社が受け取っている運用管理費用と同率の代行手数料を取るのは行き過ぎです。購入資金を受け入れ、解約資金や償還金、あるいは分配金を支払うという作業の持つ付加価値が、投資信託を運用してパフォーマンスを維持するという作業の付加価値と等価だとは、とても思えないのです。

この話を読んで興味を持たれた方は、自分が持っている投資信託の目論見書を確認してみてください。代行手数料の料率が、投資信託会社の運用管理費用の料率と同じか、それを上回っている場合は、販売金融機関のプレッシャーが極めて強いか、もしくは投資信託会社がたくさんファンドを販売してもらいたくて、販売金融機関が受け取るフィーに色を付けているかのいずれかです。

そして、いずれにしてもそこには不純な計算が働いているのではないかと、邪推してしまうのです。

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