はじめに
株式市場ではこのところ非常に激しい値動きが続いています。欧米の中央銀行が金融緩和の終焉を示唆するなど、これまで相場の根底にあったものが大きく変わる転換点を迎えていることが、この相場の波乱を生んでいるのだろうと思われます。
このような状況下で迎える新年、2022年の日経平均株価はどうなるのでしょうか。予想してみました。
日本株の上昇トレンドは続いている
まず、足元12月21日までの日経平均株価は値動きを見てみましょう。激しい値動きが続いていますが、よく目を凝らしてチャートを見ると、8月をボトムとして下値が徐々に切れ上がってきていることに気づきます。
2021年は日経平均が30年半ぶりに3万円を回復しましたが、その長期上昇トレンドは崩れていないということです。その背景はシンプルです。企業の利益が増加しているからです。
ここでは日経平均をひとつの会社「日経平均株式会社」だとみなして、その企業の利益の観点から来年の相場を展望してみましょう。
現在、日経平均の当期予想EPS(1株当たり利益)はQUICKコンセンサスベースで2,136円と前期実績対比38%増益が見込まれています。コロナに見舞われた前期の発射台が低いので当然と言えば当然ですが、大幅増益です。
一方、来期予想EPSは6%強の増益で2,271円の予想です。日本企業の業績の伸びは今年度に比べて大幅に鈍化します。
今年度の業績は本決算までに保守的に見積もっても5%は上方修正されるでしょう。その時点で来期の予想もそのまま5%上にスライドしてEPSは2,385円になると仮定します。
このEPSをPER(株価収益率)何倍まで評価するか、つまり予想PERは何倍になるかという点については、過去平均並みに戻ると仮定します。アベノミクス相場がスタートした2012年末以来、日経平均の予想PERの平均は15.5倍です。来期はこの予想PERの平均15.5倍まで戻ると想定します。
日経平均の来期予想EPSを2,385円と仮定し、過去の予想PERの平均15.5倍で評価すると、