はじめに

水道光熱費や食費の見直しも年金生活への大事な準備

また、水道光熱費はお二人暮らしでは少し多めかと思います。使い方を見直されても良いでしょう。食費も同様です。年齢とともに、量より質を求めがちで、食費が減らないというご夫婦も多くいらっしゃいます。楽しみはもちろん残して良いのですが、どこか妥協できる部分を見つけ、削減していくと良いでしょう。また、管理が難しいということであれば、予算を組む期間を短くし、1週間程度でみていきましょう。買い物をしない「支出0円Day」を作ってみても良いと思います。

このように支出を削減し、コントロールしながら、年金生活に入る準備をしていくと良いでしょう。老後は切り詰めた暮らしだけよりも、楽しみにもお金を使いながら、締めるところは締めるというメリハリをつけられると、たくさんのお金をかけなくても豊かな暮らしをしていけるのではないかと思います。

インフレに負けないために、一部を投資に

ご相談者ご夫婦がお考えのように、お金を積極的に増やすような投資はしなくても良いと思います。ですが、今は超低金利ですし、インフレリスクを考えると、普通預金にお金を置いておくだけでは実質価値は目減りしていくでしょう。それを防ぐために、老後資金の一部を投資に移行していくことを検討されても良いと思います。目的が目減りを防ぐことですから、お金を積極的に増やすような投資ではなく、お二人で「つみたてNISA」のような税制優遇制度を利用して、少しずつつみたてて投資をしていく方法が適していると思います。ここはご意向もあるかと思いますので、十分にご検討ください。また、始めるにあたっては、投資の概要を教えられるFPなどの専門家に、家計のバランスも含めてアドバイスを受けるのも良いかと思います。

今後の保険の考え方

最後に生命保険ですが、住宅ローン完済、お子様の独立、現在の資産等から考慮すると、死亡保険は不要と考えてもいいと思います。検討すべきは、これからの「生きていく際の保障」として、「ガン・三代疾病」を保障する保険でしょう。終身医療保険(オールマイティなもので、入院したら、手術したら出るもの)はマストではないと思います。貯蓄や健康面の不安などと勘案した上で判断されるといいでしょう。

ご相談者ご夫婦のこれからの暮らし方を考えるヒントになったでしょうか。ぜひ、老後に向けて今からできることをご検討いただき、行動に移していただけたらと思います。

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