はじめに

お互いの家計状況を共有する方向に持っていくには?

夫婦別財布の家計はよくあるのですが、お互いのお金の使い方がわからないと、家計の全体もわかりにくいですし、お金も貯まりにくいものです。今感じていらっしゃるように、節約できそうな部分も節約ができないということも起こります。ご相談者のご家庭は、まさにその状況だと思います。

改善するには、ご夫婦でお金の話ができるようになることが一番です。とはいえ、今までお金の話をしてこなかったご夫婦が、お金の話をはじめるのは大変だという話も聞きます。お子さんの教育費を貯めることや、近いうちに購入しようと思っている物の資金作りの相談などをきっかけに、ご夫婦でお金の話ができるようになると良いですね。

家計に関心のない配偶者が、支出を数字で見ると興味を持つ、余剰金を元手に投資を始めることを提案するとやる気スイッチが入ったり、モチベーションが上がったりすることもよくありますから、根気良く、家計状況を伝えていくことが、今できることではないでしょうか。

「あなたの支出を教えて」と要求するだけではなく、ご相談者自身のやりくり状況やお金の貯まり具合なども開示し、互いの情報を共有できるようにしていきたいですね。

老後資金の不足を数字で見せる

貯金額を顧みず、急に外壁修理に150万円を使ってしまうなどの無計画さがある夫。貯金することを軽視している印象を持ってしまいます。

もしかすると、夫は退職金が入れば老後資金は十分足りるなど考えているのかもしれません。ですが、教育費なども考慮すると、それだけでは足りないことを、ご相談者は感じていらっしゃるのだと思います。

ご主人は50歳ですから、誕生日ごろに届く「ねんきん定期便」に、65歳から受け取れる年金額が書かれるようになります。これが年金生活における生活費のベースになりますので、それと毎月かかる生活費の差額を出し、そこから、老後の生活の中で老後資金から切り崩さなければならない金額を算出してみましょう。

その金額と、お子さんの教育費として必要な金額を足し算すると幾らになるでしょうか。ご主人が受け取る退職金額で足りるでしょうか。

まずは大雑把に計算して、現状でお金が足りているのかを見せると、お金の使い方、貯め方を見直すきっかけにできるかもしれません。

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