はじめに

ルート6 あなたの「消費行動」がタネになる

先ほど、ルート1 あなたの「趣味」がタネになるのところで、趣味を「お金と時間をかけて継続的にやっていること」と定義しました。「お金を使うこと=消費行動」という考え方に則ると趣味も「消費行動」に入りますが、ここではそう定義しません。

例えば、病院に行って診察してもらう、薬を買う、などは、やむなく使うお金ですよね。もっと具体的な例を挙げてみると、「糖尿病でずっと薬を飲んでいます」という場合などは、まさにお金を使いたくて使っているわけではないかと思います。やむを得ず払っているお金です。

でも、払った分だけ、実は起業のタネになるような経験を積んでいることにお気づきでしょうか。「糖質を減らしてください」とか、「甘いものを控えてね」という食事の指導もされるでしょう。

私の知り合いに糖尿病の男性が2人いるのですが、彼らはやはり、何を食べたら血糖値が上がるのかについて、とても詳しく知っています。実は、食べ物と血糖値の関係は、ダイエットしたい人にとってはすごく重要な話です。血糖値がバーンと上がる食事は太りやすいからです。

先ほどの男性のうち1人は、YouTubeで血糖値のコントロールの話を糖尿病の人に向けて発信していて、ダイエットに関心のある人たちが視聴しているようです。視聴回数に応じて、彼には広告収入が入っています。彼にとっては、お金を使いたくて使っているわけではない糖尿病の治療ですが、そのことが起業のタネにもなっているのです。

楽しいことに使っているお金と違い、病気治療のために払っているお金のような「仕方なく使っているお金」は忘れてしまいがちです。でも、継続的に使っているということは、継続的に発信できるタネがあるということ。よく見直してみれば、あなたも日常生活の中に「仕方ない」出費があるはずです。それを、ぜひ収入のきっかけに転換させてください。

ルート7 あなたの「苦手」がタネになる

「苦手なことが起業のタネ?」と、首をひねる人もいるかもしれません。実は、これにはある条件がついています。現在はすでに克服できているけれども「過去に苦手だったこと」が起業のタネになるのです。

例えば、極度のあがり症だった女性がいます。人前に出ると全然話せず、頭が真っ白になっていたそうです。そこで、「あがり症をなんとかしたい」と心理学やコミュニケーションをものすごく勉強して、ついにあがり症を克服。いまでは「あがり症克服トレーナー」として、オンラインで個人セッションをしているのです。彼女自身がかつて悩み、それを努力で克服した経験があるからこそ、伝えられることがあるのでしょう。

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