はじめに
ルート2 あなたの「得意」がタネになる
得意なことが起業のタネになるというのは、比較的イメージしやすいのではないでしょうか。うまくいく人たちに共通しているのは、得意なことに対して、普段から際限なく時間をかけられる点です。
これは、先ほどの趣味と同じですね。趣味や得意なことについては、本人にとっては当たり前すぎて、それが収入を生むとは考えにくいかもしれませんが、見方を変えるとお金に換わることがあります。まずは、自分がどんなことに時間やお金をかけているのか、人によく聞かれることは何なのか、一度すべて書き出してみましょう。
例えば、いまどきの会社員は誰でもExcelは扱えるかもしれませんが、私は全然ダメでした。もともと営業の仕事をしていて、それから住宅設計に携わって、その後に起業しているので、実はほとんどExcelに触ったことがなく、Excelで計算ができること自体を知らなかったのです。
そんな私の様子を友人が見るに見かねて、「知り合いにExcelがすごく得意な人がいるから、簡単な操作についてレクチャーしてもらったらいいんじゃない?」と、Excelの達人を紹介してくれました。1回90分3000円で、数回にわたり、表計算の仕方や便利な使い方などExcelの基礎をみっちり学びました。
実は、このExcelの達人は、いわゆるプロとして教えているExcel講師というわけではなく、「友人に頼まれたから」と好意で私に教えてくれたとのこと。でも私にとっては、お金を払ってでも教えてもらってよかったと思える内容でした。一方、彼にとっては「Excelが得意」が収入につながるということが驚きだったようです。
ルート3 あなたの「好き」がタネになる
「趣味」と「好き」は、どこで線を引いたらいいのか、迷うところではありますが、まずは例を挙げてみましょう。
絵を描くのが好き、キラキラしたアクセサリーが好きなど、「好き」にもさまざまなものがあります。私が教えている起業塾では、好きなことで起業している人が多いのですが、ユニークな例に「家計簿好き」な人がいます。彼女いわく、家計簿をつけるだけで2年間に300万円の貯金ができたのだとか。
貯金の経緯や家計簿のつけ方などをブログで公開していたら、「家計簿は苦手だけれどつけたほうがいい」と思っている人が多いせいでしょうか、ブログのページビューが激増して、アドセンス収入だけでも何十万円かの収入を生みました。
そればかりでなく、ブログを見た出版社から連絡が来て、なんと出版が決まりました。いまや彼女は家計簿のコンサルタントとして講演会でも引っ張りだこ。本の印税とブログのアドセンス収入、家計簿のコンサル、講演会の講師料、と4つの収入源があり、ご主人の収入を超えてしまったそうです。「ただでさえ貯金が好きなのに、ますますお金が入ってきて楽しい」と話していました。