はじめに

ルート4 あなたの「資格」がタネになる

先ほどの家計簿好きの方は、いわゆるファイナンシャルプランナーなどの資格があるわけではなく、ただの主婦でした。「出版までするような専門家なら、資格を持っていなくてはいけないんじゃないか」と考える人もいるかもしれませんが、実は特定のジャンルを除いて資格は必要ではありません。

むしろ、「資格さえ取れば収入につながる」という思い込みは危険です。がむしゃらに勉強して苦労して取った資格を掲げて開業したものの、開店休業状態になっている例を、私はいくつも見ているからです。

そもそも、資格を取って起業をするのは本格的な事業であって、ここでおすすめするオンライン起業とは趣旨が異なります。お伝えしたいのは、普通の主婦や会社員が、家事や本業の仕事があってサブ的にお金を稼ぐことや、空いている時間にできる起業のイメージです。そのタイプの起業に向いているのは、資格を取ってそのまま使うことではなく、すでに持っている資格に何かを組み合わせて起業のタネにすることです。
ポイントは、知識のある専門家がコツを教えてくれる、という点です。資格をうまく使っていくと信頼感や説得力が上がります。資格を使って、困っている人たちに何を教えられるかというところを明確にするといいでしょう。本人は「なんでこんな資格を取っちゃったのか」と思うような資格が、実は起業のいいタネになるケースは少なくありません。

例えば、実際にいらっしゃったのが、看護師でコーチングの勉強をされた方です。いまでも現役の看護師です。患者さんの話を聞くためにコーチングを勉強し、資格も取ったそうです。

彼女はもともとは、本職である看護師として月給をもらい、空いているお休みの日に誰かにコーチングのセッションをして副収入を得ようと考えていました。でもそうではなく、コーチングに看護師のイメージをかけ合わせて、「いろいろな人たちの不安を取り除く現役ナースのコーチング」とすれば、他にはないユニークなものになるのではないでしょうか。

ルート5 あなたの「経験」がタネになる

私は、誰にとってもすべての経験が起業のタネになると考えています。どんな経験もムダにはならないからです。

「そう言われても、私はずっと主婦で、家事と育児しかしてこなかったんです」とおっしゃる方がいます。しかし、家事や育児は素晴らしい経験です。育児の経験は、第一子の出産・育児に直面している新米ママにとっては、喉から手が出るほどほしい情報にあふれています。家事も、忙しい毎日の中で効率よく時間を使うために手際よくするコツは、誰しも知りたいところです。

家事と育児をずっとなさってきた方なら、自分なりのコツや工夫がいくつもあると思いますが、それをブログやSNSにまとめて、悩んでいる人たちと分かち合うことで、収入につながる道筋が広がっていきます。

「私には子育ての経験もなく、コンビニのバイトでレジを打っていただけです」という人がいるかもしれません。でも、それも重要な経験です。コンビニのレジにいることで、この季節にはこういう商品が売れるとか、天気が変わると売れ筋が変わる、なんていうことをリアルに体験していることでしょう。まさにマーケティングの最前線にいるということではありませんか?

レジでお客様と接する中で、思いも寄らないクレームに対応しなければならなかったかもしれません。その対応の経験だって、まとめたらきっと誰かの役に立つはずです。経験を通して気づいたことを発信していけば、それを知りたい人は少なくないはずです。

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