はじめに

運用資金の安定性が高いハードルに

そしてもうひとつ、アクティブファンドの本数が増えない決定的な条件があります。それは、「運用期間が5年以上」、「純資産総額が50億円以上」、「運用期間中の3分の2の期間で資金流入している」という3つの条件です。

つまり、最低でも過去5年間の運用成績を残していて、かつ運用資金が安定していなければ、つみたてNISAの対象として認められないということです。つみたてNISAの対象ファンドでアクティブファンドが少ないのは、この「最低でも過去5年間の運用成績を残していて、かつ運用資金が安定していなければ」という条件をクリアできるアクティブファンドが、全体的に少ないことを意味します。

今から5年前といえば、投資信託の回転売買が普通に行われていた時期でもあります。証券会社や銀行などの販売金融機関は、少しでも手数料を稼ぐため、顧客から買ってもらった投資信託を短期間のうちに解約させ、それでもって新しい投資信託に乗り換えてもらうという取引が横行していました。

したがって、このような時期から運用をスタートさせた投資信託の大半は、「運用期間中の3分の2の期間で資金流入している」という条件のクリアが難しくなると推察されます。

また新しい投資信託を立ち上げるにしても、「運用期間が5年以上」という条件があるので、今、新規設定された投資信託がつみたてNISAの候補になるのは5年先の話になります。このように、結構高いハードルを乗り越える必要があるため、つみたてNISAの対象ファンドに占めるアクティブファンドの本数は、どうしても少なくなってしまうのです。

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