はじめに
「年金分割」で受け取れる年金額
では、「年金分割」でどのくらいの金額を受け取ることができるのでしょうか?
単純に夫の年金額の半分ではありません。この金額の計算は、かなり複雑です。
まず、夫の基礎年金は分けることができません。「年金分割」で分けられるのは、厚生年金部分だけで、婚姻期間の厚生年金分になります。
婚姻期間の厚生年金保険料を夫婦共同で負担しているので、厚生年金保険料の計算からになります。働いているときの平均的な給与×厚生年金の加入期間から計算をします。
とてもざっくりですが、婚姻期間が40年の専業主婦のケースで計算をしてみます。
「3号分割」の2008年4月以降は、一律50%ですが、その前の期間の「合意分割」も50%だとした場合、夫の厚生年金の約4万円が減り、妻の方に約4万円が増えるという感じです。
夫としては、月4万円も減るのはイヤだと思いますよね。妻は「えっ4万円ぽっち」なんて思うかもしれません。たしかに月4万円というのは微妙ですが、長期で見ると結構大きな金額になります。
月額4万円は1年で48万円、10年で480万円、20年で960万円です。
もし、夫が先に死んでも、年金分割で分けた金額はそのままです。また、再婚をした場合でも年金額は変わりません。
ちなみに相手に知られずに、この年金分割の金額を知ることができます。年金事務所の所定の書類を用意して問い合わせれば、情報提供してくれます。離婚後の財産分与などに役立つかも知れません。
しかし、夫よりも妻の給与が高いとか、夫が自営業で妻が公務員・会社員などの場合は、妻の厚生年金が多くなります。ということは、年金分割ということになると妻の厚生年金が減額になります。