はじめに
新型コロナ禍が2年目となった2021年の相場は、日経平均株価がバブル期以来の30,000円台回復、米国を代表する株価指数のS&P500が年間の過去最高値更新が70回を記録と、歴史的な1年となりました。
2022年の相場は開始してまだ1ヶ月足らずではあるものの、原油高を背景とする世界的なインフレ懸念や、米国の金利上昇などを背景に、年初から上下に大きく動く荒い値動きとなっています。
今年の世界経済・株式市場を見ていくにあたり、注目すべき点はどこにあるでしょうか?新型コロナ、国内、海外の観点からそれぞれ見ていきましょう。
【新型コロナ】1~3月期の経済停滞を懸念
昨年末から新型コロナウイルスのオミクロン変異株が世界的に流行し始めました。日本国内でも新年に入り急激に新規感染者数が増加しています。1月1日には全国で500人程度であった新規感染者数は中旬に入り連日過去最高を更新、20日には46,199人と約半月で90倍以上の増加となっています。
出所:公表データを基に筆者作成
昨年夏に続く第6波の発生の結果、「まん延防止等重点措置」が沖縄県、広島県、山口県に1月9日から、東京都をはじめとする13都県に1月21日から発出されています。「まん延防止等重点措置」が発出された地域では、都道府県知事が飲食店などに営業時間の短縮などの規制を要請できるようになります。飲食店を中心に対面型のサービスで営業制約が行われることが予想されます。
業種単位で言えば、前回の緊急事態宣言が全面解除されて以降、回復基調にあった外食や居酒屋にマイナスの影響がどれほど出るかに注視が必要かもしれません。
(出所):JCB/ナウキャスト「JCB消費NOW」を基に筆者作成。
※ベースラインは2016~2018年の当該半月の平均を用いている。
今回も感染増加を防ぎながら経済の停滞を最小限にすることが課題となりますが、感染拡大のスピードや営業制限の度合いは都道府県ごとに異なっています。経済への影響を見る際には、都道府県別に出されている対応ごとにどのような影響が出ているかを細かく見ていくと良いでしょう。
新型コロナの経済への影響は長期化しており、1~3月のGDPへのマイナス影響も心配されるところです。今後感染拡大が生じるかはまだ不透明ではありますが、引き続きリスク要因の一つと考えられます。