はじめに
【海外】米国の金融政策に最注目、中国にも動き?
海外も今年は動きが多くなりそうです。まずは何と言っても、米国のFRB(連邦準備理事会)による金融引き締め策の速度が最大の関心事となります。これまで続いた量的緩和の縮小、並びに利上げの実施回数が焦点となっており、まずは3月に行われるFOMC(米連邦公開市場委員会)時に利上げが実施されるのかが焦点になっています。
すでに金融政策の変更の影響は市場にも織り込まれ、ハイテク株で構成されるナスダック総合指数は2ヶ月間最高値の更新から遠ざかっており、調整局面入りの声も大きくなっています。コロナ株高を牽引してきたのはハイテク系のグロース銘柄であり、世界的な低金利下において高いバリュエーションで評価されていました。金利が上昇すると物色される銘柄はグロース株からバリュー株へと変化していく傾向にあります。個別銘柄の値動きもここ1~2年とは全く異なるものとなる可能性があることは念頭に置いておくとよいでしょう。
なお、今年のFOMCは1、3、5、6、7、9、11、12月の計8回開催予定であり、インフレの進行状況、雇用の回復度合いなど、総合的に政策決定が行われています。金融政策の変更が話題になるにつれ、雇用統計や小売り売上高などの米国の経済指標の注目度は日に日に高くなっており、発表前後での値動きも発生例年以上に把握する必要があるでしょう。
また日本への影響も大きい中国に目を向けると、2月に北京冬季オリンピックが開催されるほか、秋には5年に1度の共産党大会が開催されます。直近の中国経済は10~12月期のGDP成長率が4.0%と減速傾向となっています。この状況を背景に昨年12月と今月で連続して事実上の政策金利を引き下げるなど金融緩和方向の動きも見られています。共産党大会を前に経済成長率を高めるべく、更なる中国政府の動きがあるかもしれません。