はじめに
打てる対策は4つ
先述の通り、老後資金の対策として打てる手は、
1)支出を減らす 2)収入を増やす 3)年金を増やす 4)資産運用する
の4つになります。ただし、4)の資産運用については、年齢的に資産形成期を過ぎているので、取れるリスク許容度を見極めることが重要です。
支出削減でどの程度資産の延命が可能?
まず、1)の「支出を減らす」ポイントを確認していきたいと思います。
食費4万1,000円は、一人暮らしにしては高いと思います。外食が多いのかもしれませんが、自炊の習慣をつくることで3万円以下も目指すことは可能です。ここに1万円の支出改善ポイントがあると考えていただければと思います。
保険料の5,000円については、医療保険と思われますが、資産が2,000万円あることから解約しても問題ないでしょう。教育費の2万円や、お小遣いの3万円はコントロール可能な支出だと思いますので、将来のシミュレーションを考えた上で、適正な額に減らしていくとよいと思います。例えば、食費・保険・教育費、お小遣いで4万円の支出改善ができるとすると以下のような推移になります。
それでも84歳で資金ショートしてしまいますが、6年以上資産寿命が延びたことになります。
70歳まで働いた場合は?
2)の「収入を増やす」には、1か月あたりの収入額を増やす方法と、働く期間を延ばすことで生涯賃金を上げる方法の2通りがあります。自営業なので定年がないことから、働く期間を延ばすほうが実現可能性が高いと思います。
仮に70歳まで働く期間を伸ばした場合を見ていきましょう。この場合は、3)の「年金を増やすこと」も同時に考え、年金の受け取りを70歳まで繰り下げる(遅くする)ことも合わせて反映しています。
年金は、65歳以降1か月受け取りを繰り下げると0.7%ずつ支給額が増えていきます。つまり70歳まで5年間(60か月)受け取り遅らせれば、65歳で受け取りはじめた場合と比べて1か月あたりの支給額を142%まで増やすことができます。