はじめに

米長期金利が上昇しても新興国株は崩れず

同様の分析を米国の長期金利でも行ってみます。2007年以降で米10年国債金利の1%ポイントを超える変動を上昇・下落、1%ポイント以下の変動が半年以上続く局面を横ばいと定義します。その上で、これまでと同じく期間を22営業日に標準化し騰落率を比較します。

2011年から10年以上にわたり新興国株は先進国対比でさえないパフォーマンスが続いているため、金利で分類すると2007年以降で新興国株が先進国株を上回った局面はありませんでした。しかし、金利上昇局面では-0.0%とほぼ先進国と同等の騰落率となっています。米長期金利が上昇しても新興国株は崩れるわけではなく、むしろ金利が低下したり横ばいになったりするよりもパフォーマンスが向上していました。

今年は新興国資産が予想外に上昇も

近年の圧倒的な上昇から投資家の関心は米国株に集中しています。一方、米国の利上げと長期金利上昇への警戒感から新興国の資産はパフォーマンスが劣後する状況が直近でも続いています。

しかし年明け以降は、特に投資家からの人気の高い米ハイテク株の弱さがは際立っています。そうした中、すでに長期間にわたって売り込まれてきた新興国株には、資金が流入する余地が十分残されています。今年は新興国資産が予想外の反発を見せる可能性は十分あると筆者は考えます。

※内容は筆者個人の見解で所属組織の見解ではありません。

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