はじめに

日本株はむしろ押し目買いのチャンス

さらに米国株以上に日本株が崩れていることも理不尽です。日本株市場が海外市場に比べて優位である点は多くあります。まず日本でもインフレが起きてはいるものの、その程度ははるかに低い状態です。それもあって欧米の中央銀行が金融引き締めに動く中、日銀は断固として金融緩和を継続すると黒田総裁は明言しました。

また、コロナ対応の初動が遅れたことから、日本は景気回復のサイクルが欧米とは1年遅れになっています。そのため2022年は欧米の景気がピークから減速する見通しであるのに対して、日本は昨年より今年のほうが経済成長率が加速する、グローバルにみて数少ない国のひとつです。

これは今週発表された国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し1月版でも改めて確認できます。IMFは25日改定した世界経済見通しで2022年の実質成長率を4.4%と、前回21年10月の予測から0.5ポイント引き下げましたが、そのなかにあって日本の2022年成長率は3.3%と0.1ポイント引き上げられています。

さらにこれから本格化してくる4~12月期の決算発表も期待が低い分、思わぬ好決算で締めてみればポジティブ・サプライズとなるのではないでしょうか。

日本電産は2021年4~12月期の連結決算で、環境分野がけん引した営業利益が3年ぶり過去最高を更新しました。ファナックも2022年3月期の純利益を従来予想の1508億円から増額修正し前期比69%増の1593億円になりそうだと発表しました。日東電工も、2022年3月期の純利益が前期比35%増の950億円になりそうだと発表しました。従来予想を50億円上回り、4期ぶりの最高益となります。カプコンが発表した2021年4~12月期の連結決算は、純利益が前年同期比52%増の267億円となり、同期間として過去最高になりました。

決算発表はまだ序盤ですが、好業績を発表する企業が相次いでいます。それに対して相場は逆行安となっていますが、これは相場が間違っている典型例で、過去に何度も繰り返されてきたパターンです。その後、相場が落ち着けば、企業業績の伸びをキャッチアップしに反転上昇に転じます。それを信じて、ここは堪え時、いやむしろ、押し目買いのチャンスではないでしょうか。

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