はじめに
現在不安なことの優先順位をつける
まず、今現在不安なこと、気になっていることを整理してみましょう。
〇収入に対して賃貸料の割合が大きく家計を圧迫している。
〇いずれ収入が減少していく中で、今後の住まいをどうすればいいのか。
〇老後資金を貯めることができていない。
〇子どもの奨学金の返済をしてあげたい。
それぞれの優先順位はいかがでしょうか。ご自身の老後の生活費を抑えてでも子どもの奨学金の返済を優先したい方もいれば、ご自身の老後生活費をしっかりと確保した上で、最悪子どもの奨学金の返済はしょうがないと考える方もいるでしょう。現実的なプランニングをするのであれば、そこをしっかりと決める必要があります。
現在の賃貸のままリタイア後も暮らすのは難しい?
今回は、まずしっかりご自身の老後生活費を確保することを優先するとして考えていきます。では、老後に向けてどれくらい準備が必要なのでしょうか。
ご相談者の65歳以降の年金収入については、ご夫婦で24万円/月とのことです。【図1】の平均値から考えると、65歳以降で最低限生活するのに必要な生活費は約25万5,000円/月となるので、年金収入だけでは1万5,000円/月足りない計算となります。また、こちらのデータには、住居費も含まれていますが、賃貸と持ち家の方がいる平均のため、月額1万5,000円程度とかなり少ない金額となっているため、実際はご自身に置き換えて考える必要があります。
普段の生活費以外にも、それぞれのライフプランによって、備えておくべき費用もあります。医療費や介護費用、持家の場合はリフォーム費用などです。
こう考えると、今の賃貸のままリタイア後も生活を続けるのは少し難しそうです。対策としては、2つです。
1)賃料を下げてリタイアに向けて貯蓄をしながら生活をする
2)65歳までに完済できる物件を購入して、リタイア後の住居費負担を軽減する