はじめに

売買高と売買代金にも注意

もうひとつ注目しておきたい数字があります。月間の売買高と売買金額です。

2021年12月中の売買高で最も大きかったのは、「NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信受益証券」です。月間の売買高は10億7046万837口で、売買代金は総額4288億4724万491円でした。

これに対して売買高が最も小さかったのは、「MAXIS JAPAN設備・人材積極投資企業200上場投信受益証券」の2口で、売買代金の総額は、たったの6万120円でした。売買高や売買代金が小さい銘柄は、値付日数が多かったとしても、やはり流動性リスクが高いと考えた方が良いでしょう。

たとえば「NZAM上場投信S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数受益証券」の値付日数は22日なので、2021年12月の全営業日数において取引が行われていることになりますが、この間の売買高は2万5750口で、売買代金は643万2238円です。これを22日で割ると、1日あたりの平均的な売買代金は29万2374円でしかありません。1日あたり平均とはいえ、これだけ1日の売買代金が小さいと、多めの買い注文や売り注文が入った時、取引価格が付かないまま気配値が乱高下する恐れがあります。

ETF・ETNは、純資産価格こそ連動目標である株価インデックスなどに連動するようになっていますが、市場で付く取引価格は需給を反映するため、純資産価格から乖離して上下するケースも考えられるのです。

したがって、株価インデックスなどに出来るだけ連動した運用成果を得るためには、値付日数と共に売買高や売買代金が出来るだけ大きな銘柄を選ぶ必要があります。
なお、月間の売買高や売買代金、値付日数は東京証券取引所のサイトに掲載されているので、それを参考にすると良いでしょう。

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