はじめに
ニッチな株価インデックスに連動するタイプは流動性リスクに注意
では、取引が成立しにくいETF・ETNにはどのようなものがあるのでしょうか。これはファンド名を見れば明らかですが、とにかくニッチな株価インデックスに連動するタイプのものばかりです。
たとえば値付日数が22日のうち2日しかないのは、「上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(βヘッジ)受益証券」と「MAXIS JAPAN設備・人材積極投資企業200上場投信受益証券」の2銘柄ですが、正直、ファンド名を見ただけでは、どのような株価インデックスに連動するのか、皆目見当がつかないというのが正直なところです。
その他にも「NEXT NOTESニッチトップ中小型日本株(ネットリターン)ETN受益証券」(値付日数5日)、「NEXT NOTES低ベータ50(ネットリターン)ETN受益証券」(値付日数6日)、「ダイワ上場投信―MSCI日本株人材設備投資指数受益証券」(値付日数7日)などがあります。いずれも1か月間の営業日数のうち、取引価格が付いて売買が成立した日数はごくわずかです。
取引価格が付かないということは、売買できないということでもあります。つまりETF・ETNは、「いつでも売買できるというメリットがあります」と一般的には言われていますが、ほとんど知られていない、ニッチな株価インデックスに連動するタイプのETF・ETNになると、自由に売買できない「流動性リスク」を考慮しておく必要が生じてくるのです。