はじめに

目先のキャッシュフローは問題なしだけど…

扶養内に変わることにより、年間130万円の貯蓄が年間70万円になります。マイホームはすでに購入済ですから頭金などをこれから用意する必要はありませんし、お子さんの教育費のピークはまだまだ先ですから、これから数年間はまとまった支出はありません。当面のキャッシュフローとしては、扶養内パートになっても問題はないでしょう。

ただし、キャリアチェンジを考える際には、目先のキャッシュフローだけでなく、将来的なご自身のキャリアを考える必要があります。目先の大変さ、時間のなさだけに注目して働き方を変えてしまうと後戻りが難しい場合があります。キャリアの機会損失についても考えておきましょう。

子育て中のキャリアダウン。機会損失リスクに要注意

実は、このような相談を受けた時、私は多くの場合、妻が子育てなどの理由で一時的に離職したり、一時的に働き方を変えたりすることを勧めていません。例えば、正社員の人が会社を辞めてパートタイマーになる場合、時給が下がり、ボーナスもなくなり、結果として年収が大きくダウンします。さらに、一度正社員を辞めてから数年後に再び正社員になろうと思っても、同じ立場での復職にはいくつもの壁が待っています。そのため、キャリアを長期的な視点で見たときに失うものが多いことを知っておきましょう。

そこで私は、他の多くのご相談では、正社員を継続して収入と身分を確保することを勧めています。時間が足りないというお悩みには、家事代行や子育て支援のサービスなどを一時的に活用して、お金で時間を買うことを勧めています。忙しい数年間を、貯蓄を減らしてでもしのぎ切れば、その後にはまた貯蓄を増やせる時期がやってくるからです。

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