はじめに
不安はあって当たり前、対策のきっかけにしよう
今回の相談者は「漠然とした不安」がおありとのこと。家族が夫婦二人のうちは、二人の意志だけでいろいろなことを決めることができましたが、子どもの教育資金については子ども自身の意志を知りたくなったのだろうと推察します。
けれど、まだ幼い子どもや希望している第二子の意志を確かめることはできませんし、受験の結果次第ではその意志と異なる進路になることもあるため、決めることができずに迷い、不安が生じるのは当然です。
不安を感じている状態はネガティブに捉えられがちですが、こうして「相談してみよう」と一歩を踏み出すきっかけになったのですから、悪いことではないのです。具体的な対策を講じ、良い結果につなげていくきっかけと捉えてみましょう。
教育資金と老後資金、優先度の高さを見極める
子どもの教育資金を大切に考えるあまり、親の老後生活資金の準備を忘れ去っているような家計も見受けられますが、問題になるのは親子の年齢差が大きいケースです。
相談者が希望どおり34歳で第二子を出産すると、第二子の教育費負担終了時期は58歳。退職年齢がはっきりしませんが、準備している個人年金が65歳時点で最低1,500万円とあることから、65歳までは収入を得るものとします。
すると、大学院の費用負担が終了した後、7年間は老後資金を貯める時間が残されていることがわかります。すでに用意を始めている個人年金の金額を考慮すると、今は教育資金の準備を優先しても相談者のライフプラン上の問題は大きくないという予想ができそうです。