はじめに

なぜ、ここまで株価指数は下落するのか?

それでは、なぜ世界的にここまで株価指数が下落するのでしょうか。エネルギーから農水産物まで幅広く価格が上昇することで、企業はコスト増により利益率が低下します。しかし、コストが上昇したからと言って、ボランティア団体ではなく営利目的の株式会社である以上は利益を捻出しなくてはいけません。そうなると、削れるのは設備投資と人件費になります。

設備投資を削ると、企業の期待成長率は落ちていきます。そして、人件費が削られると、国民の購買意欲が削がれ、将来不安から貯蓄をするようになりますから、結果的に企業は売り上げが減って、こちらもまた負のスパイラルに突入することになります。

また、ロシア・ウクライナ問題の結末がどうなるか、非常に不透明であることも株式市場にはマイナスに働いています。さきほど、投資家は常にネガティブシナリオをいくつも考えて頭に入れておくべきと書きましたが、本件はどのような結末になってもネガティブシナリオにしかならないのです。アフガニスタンのように泥沼化して戦争が長期間つづくシナリオ。ウクライナが全面降伏すれば戦争は終わるかもしれませんが、それは軍事侵攻を国際社会が認めることになってしまう。

とはいえ、過度に経済制裁で追い込んだ結果、核攻撃という展開もあるわけです。さすがに、そのようなことは起こらないと思う人もいるかもしれませんが、ロシアの軍事侵攻はない、またはウクライナ東部の一部地域で軍事衝突が起こるぐらいと多くの専門家が言っていたことを思い返せば、起こりそうもないことが起こるのが現実社会だと考えるべきでしょう。

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