はじめに
EPSで「稼ぐ銘柄」を見抜く
1株利益(EPS)とは、端的に言うならば、「1株当たりいくら儲けているのか」 ということです。
新聞や投資雑誌等では、EPSという文言をよく目にします。
EPSとは、Earnings Per Share の略です。
Earningsというのは利益のことで、earn=稼ぐ、からきています。Perは「〜ごと」という意味で、Shareは「株式」のことですので、EPSとは、「株式当たりの利益」とイメージしていただければ分かりやすいかと思います。
EPSは、自分が買おうとしている銘柄が割安か割高かを読み解く上で重要な指標となります。
たとえば、1株100円の会社があるとしましょう。
1株当たり10円稼いでいるのであれば、株式が生み出すリターンは年10%となります。年間5円の利益であれば、リターンは年5%となります。
株価は毎日変動するため、株式の期待リターンも毎日変動します。その一方で、会社が公表しているEPSの予想も変動しますが、業績予想が公表されるのは3カ月に1回ということがほとんど。
EPSがどのくらいなのかを念頭に置いて、投資判断をおこなうことが現実的です。
また、EPSが毎年どのように変化しているかをチェックすることで、現在の株価が適正であるのかどうかを判断することができるようになります。
このことは、次に説明するPERとも密接に関係しています。
1株利益(EPS)とは、1株当たり何円の利益があるか
PERで「割安/割高」を見抜く
株価収益率(PER)は「株価が1株利益(EPS)の何倍か」という指標で、株価水準を考える上で重視され、低いほどに株価が割安とされています。
一般的には15倍程度が適正といわれていますので、慣れるまではシンプルに、10倍以下であれば割安、15倍を下回れば比較的適正な水準、逆に20倍以上になっている銘柄は割高、というようなイメージで事足りるでしょう。
なお、PERとはPrice(株価)Earnings(収益)Ratio(率)の略です。
PERは、株価と先ほど覚えたEPSで簡単に計算ができます。株価をEPSで割れば、それがPERとなります。
たとえば、株価が1000円のA社という銘柄があるとしましょう。その銘柄のEPSが100円とすれば、1000円(株価)÷100円(EPS)=10倍。
つまりPERは倍です。
また、株価が2000円のB社という銘柄があって、EPSが100円だとしたら、PERは2000円(株価)÷100円(EPS)=20倍となります。
A社のPERは10倍、B社のPERは20倍となりますので、株価はA社の方が割安と考えられます。
PER=株価÷1株利益(EPS)
【株価収益率(PER)とは?】