はじめに
相場に一喜一憂せず「売らずにそのまま保有」が正解
つみたてNISAの場合、基本的には売らずにそのまま保有しておくのがいいと考えます。なぜなら、20年間非課税で投資できたものが、途中で売ってしまうと、残りの非課税期間を活用できなくなってしまうからです。
また、相場は上がるだけでなく、下がることもあります。本稿執筆時点では、ロシアによるウクライナ侵攻で株価が暴落し、相場が乱高下しています。一刻も早い平和的解決を願っていますが、平和的解決が成されたら、一時的に株価上昇はするでしょう。ただし、相場がそのまま上昇基調になるかと言えば、そうならない可能性もあります。世界的なリセッション(景気後退)に入ったとの見方があり、そのまま下がっていく可能性もあるからです。
要は相場の先行きを当てることは難しいということです。
相場の上げ下げに一喜一憂せず、淡々と積立を続けていくのが良いと考えます。
株式市場では、5年から10年の周期で、大きく下落するタイミングがありますが、20年・30年と投資信託の保有を継続すると、堅実にお金を増やせる可能性が増します。
金融庁もつみたてNISAの資料の中で、あくまでも過去の相場ですが、20年間保有すると運用成果は年率2%〜8%の間に落ち着くというデータを示しています。
また、つみたてNISAの非課税期間が終わる直前に慌てて売る必要もありません。20年の非課税期間が終わると、自動的に課税口座に移管されますが、移管した後に売却してもつみたてNISA期間に得られた利益に課税されることはありません。
とはいえ、いつまでも売却すべきではないということでもありません。つみたてNISAを始める目的に合わせ、教育資金、住宅資金、老後資金などに資産を活用するのは全く問題ないでしょう。