はじめに
「加給年金」が終わると「振替加算」に変わる
では、相談者の場合、なぜ申請漏れになったのでしょうか。
夫が特別支給の老齢厚生年金の申請の時には、まだ内縁関係にあり、その1年後に入籍をしたということです。そのため申請時には、関係のない項目と思ってしまったのでしょう。
この加給年金の申請漏れというのは、意外と多いのです。
また、「ねんきん定期便」には、この加給年金の記載はありませんので知らない人も多いのです。
加給年金は、夫の年金に上乗せされて支給されるのですが、妻が65歳になると、今度は振替加算が受け取れます。この振替加算というのは妻の年金に上乗せされます。
振替加算の金額は、妻の年齢により異なりますが、若い人は年約1万5,000円です。1966年4月以降に生まれた人はありません。こちらは金額は少ないのですが、受け取ることができるので、しっかり手続きをしてください。
手続きを忘れて返還請求されないように注意を
加給年金の年間約39万円の額は、夫婦で何度か温泉旅行に行けるくらいの金額ですが、もらいすぎに注意をしてください。後で返還となるとショックが大きいです。
なぜこういうことが起こるかというと、配偶者が65歳になるまで受け取れるのが、加給年金ですが、厚生年金に20年以上加入している場合、65歳未満の特別支給の厚生年金を受け取り始めると停止になります。このときに受給停止の手続きを忘れると過払いになってしまいます。こういった過払いというのは、年に数件起こっているそうです。