はじめに

不安の原因はなんなのか?

さて、上記の状況を見る限り、一見不安を感じる必要はないようにも思いますが、不安の原因は以下のことが考えられるのではないでしょうか。

1.夫に万が一のことがあった場合、お子さんが社会人になるまでは資金が保てたとしてもその後の生活が不安

2.今後のライフイベントにかかる費用がいくらかかるのか分からなくて不安

3.夫との価値観や目線がそろっておらず不安

それぞれの不安について、解決策を一緒に考えていきたいと思います。

1.夫に万が一のことがあった場合について

女性のほうが長生きであることから、将来に対する不安は女性の方が強く感じる傾向にあります。1人になっても生きていけるよう、ご自身の収入基盤をもてると安心感が増していくと思います。現在、投資も100万円ほどしているようですが、収入を上げるためには「自己投資」が重要になります。パソコンのスキルや、ライティング能力、エクセル、VBA、プログラミング、各種の資格など、いくつになっても始められることは多くあります。リカレント教育といわれるように、生涯学んで自分をアップデートできるようになると、社会の変化についていきやすくなります。柔軟に変化できることが、将来の不安を少なくする大きな要素であると思います。

2.今後のライフイベントにかかる費用について

現在の生活費はかなり把握できているように思います。お子さんの教育費を支払ってしまったら、さらに貯蓄がしやすい状況になります。その先にかかる費用は、夫婦2人の生活費と、住宅ローン、そして住宅の維持にかかる修繕費、医療費、介護費用などです。一度どれくらいの費用がかかるのかを調べてみると、先々の見えない不安が見通せるようになり、安心感が増すと思います。分からないことや知らないことがあると不安になります。ご自身で調べることが難しければ、ファイナンシャルプランナーなどの専門家にキャッシュフロー表の作成を依頼するのも手でしょう。

3.夫との価値観や目線について

相談者さまは夫の車を売却してもらいたいと思っていますが、夫の意見は違うようです。ともに暮らす夫婦にとって何が必要で、何が必要ではないのでしょうか? 夫婦でいつまでにいくら必要なのかのファイナンシャルプランの目線がそろっていないと、それぞれの主観で平行線をたどることになります。そうすると、価値観がずれているという感覚になり喧嘩になりかねません。重要なのは、夫婦がお互いのお金の使い方を監視したり、指摘したりすることではなく、夫婦で将来どのようなライフプランを達成するかです。目標をもち、いつまでにいくら貯めればよいかなど、パートナーとして目線をそろえられると、前に向かって一緒に歩んで行きやすくなります。特にライフプランを夫婦で作ると目線がそろいやすくなります。相手が何を考えているかわかると、共に人生を歩むパートナーシップの強さが増していくのでおすすめです。

お金を使うことへの不安を減らしていく

全体的に収入は高く、支出が多すぎるということもないので、ちょっとした改善だけでもさらに貯蓄は増えていくでしょう。また始めたばかりの投資も、長期で継続すればさらに頼もしく育ってくれると思います。

その上で、先々を見通して、夫婦の目線をそろえていくことが重要になると思います。無駄遣いをする必要はありませんが、お金を使うことの不安も減らすことができれば、さらに充実した生活を送る事ができると思います。死ぬ時に一番お金をもっていてもしかたがありません。人生の中で、いつ、どこで、いくら使ってよいかを夫婦でデザインしてみるとよいのではないでしょうか。

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