はじめに
各国の金融政策の進度にはバラつきが?
米国の金融政策に注目が集まりがちですが、米国以外の中央銀行でも金融引き締めは始まっています。しかし、各国で経済状態や労働市場の状況は異なってくるため、それぞれの金融政策の進度は当然異なっています。
公開情報を基に筆者作成
これまで最も強気なのは英国で、すでに2回の利上げを実施しています。直近では今後の見通しについて慎重な動きも出ていますが、先進諸国の中では先んじて引き締めに動いたと言えるでしょう。利上げを開始している国がある中で、引き締めの議論は進みつつもいまだ検討を進めているのが欧州と豪州です。
両者ともに経済成長や労働市場の状況を見極めるとしており、今後の経済指標の発表に関する関心は高まるでしょう。
続いて日本は他国とは異なる方針を打ち出しています。日銀は他の中央銀行とは異なり、金融緩和策を続けると明言しています。一方で国内では物価上昇と相まって円安の進行を嫌気する論調も出てきており、日本においても政策変更の議論が活発になる可能性もあります。短期間での変更はあまり期待できませんが、中長期的な変化の兆しがないか見ていくとよいでしょう。
特に為替相場に関心が高い方は、各国の金融政策の変化は通貨に影響を与えますし、それに応じて株価指数も変動します。転換点である今のタイミングで米国以外の金融政策への関心も高めておくとよいでしょう。