はじめに
株主優待銘柄を選ぶ6つのプロセス
1番目の自問自答が、実は最も大事なプロセスです。株主優待は、使うことで利益を受けられるものです。受け取った株主優待は生活の中で本当に役立つものなのかを確認することで、取得することが目的となるのを防ぎます。
2番目に、5期分の業績を見て、業績が上昇傾向なのか横ばいなのか、そして株主優待が会社の負担なっていないのかを確認します。株主優待実施企業は株主優待自体を交際費として損金処理している場合がもっとも多いため、業績が悪化すると株主優待を取りやめてしまう企業も少なくありません。業績が下落傾向の株は避けるべきですし、しっかりと利益を確保しているかのチェックは必須と言えます。
3番目の株価が割高になり過ぎていないかは、予想PERで判断します。20倍を超えると割高という印象を受けます。予想PERが割高の場合、株価が大きく値下がりする可能性を含んでおり、株主優待を貰ったとしても資産価値が目減りしてしまうと本末転倒ですからね。
4番目は、買うタイミングのことです。権利落ちに大きく下がる傾向を考えると、買うタイミングは権利確定直前の駆け込みではなく、権利落ちを狙って次回の株主優待から受け取る為に仕込むことが重要です。これで高値掴みの確率をグンと減らすことが出来ます。
5番目は、過去5年の「適時開示履歴」において株主優待制度が改悪されていないかを調べます。あくまで傾向ですが、過去5年以内に改悪がある企業は、更なる改悪や廃止の可能性が比較的高いと感じています。ちなみに改悪とは、同じ株数を保有していても受け取れる商品やサービスが少なくなることで、長期保有制度の導入については改悪と判断はしていません。
6番目は、株主優待を目的にした投資に限定したものではありませんが、余裕資金で投資することは必須と考えます。必要に迫られて売らなければならない資金は、投資には不向きですからね。
機関投資家は一定の期間に結果を出さなければいけないため、決算などに縛られ売買しますが、個人投資家は自分のタイミングで売買できるので、機関投資家と違い「時間を味方」につけることが出来ます。これは個人投資家の唯一と言っていい武器なので有効に使いましょう。私の経験上、焦って買ってもいい結果には繋がらないので、これらの6項目をクリアしてから投資してみてはどうでしょうか。