はじめに
一人暮らしをするには基本生活費の捻出も必要
マイホーム購入を検討するのであれば、住居費として親に渡している3万円以外に食費や水道光熱費といった基本生活費の支出も考えなくてはいけません。
2021年「総務省の家計調査」から同世代の一人暮らしのお金の使い方をみてみましょう。
同世代の支出と比べると、基本生活費は親任せとなっているようですね。この支出バランスのまま住宅購入に踏み切ることはできません。相談者様の、運用を中心としたお金の配分を、一人暮らしができるように変えていく必要があります。
早急に実家に住めなくなる可能性は薄いのでは?
次にご両親についてですが、お二人とも現役でお仕事をされているようですので、ご年齢は60歳前後と推測します。
令和2年の簡易生命表によると、60歳男性の平均余命は約24年で84歳、女性は約29年で90歳近くまで生きるという結果がでています。もちろん人の寿命はわかりませんが、持ち家に住めなくなる可能性はまだ先のように思えます。
また、祖父の財産分与が終わらないまま、お父様が亡くなった場合はどうなるのでしょうか?
父親がもっていた祖父の相続権は誰が引き継ぐのか?
お父様がもらう予定であった祖父の相続権は、お母様と子供(相談者様とそのきょうだい)が引き継ぐこととなります。
父親が亡くなったからといって、すぐに祖父名義の実家に住めなくなるわけではありません。ただ、お父様に代わっておじい様の相続人(例えば、祖母、父親のきょうだい)と持ち家の相続について話し合いをするのは大変かもしれません。
お父様に万が一のことがあった場合、お母様はどうされるのかなども含め、実家のことは家族全員で決めておきましょう。
いつでも独立できるよう準備していく時間が必要
結論として、今の状況で住宅を購入することはおすすめできません。30歳目前とはいえ、相談者様のライフプランはこの先まだまだ変わっていく可能性があります。
まずは、親に頼らずいつでも一人暮らしができるように準備していく時間が必要です。5年を一区切りとしながら、その時の状況で住宅購入を検討してみてはいかがでしょう。
また、老後資金についても、退職金や公的年金を考慮したうえで、長期投資にまわす金額を決めていくのがよいと思います。あれもこれもと心配になる気持ちもわかりますが、もう少し自由に使えるお金を手元におくことも考えてみましょう。
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