はじめに
投資信託のコストが安い
3つ目は、投資信託のコストが一般で購入するよりも安いことです。
投資信託は主に、「購入時手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」の3つのコストがかかります。iDeCoでは「購入時手数料」と「信託財産留保額」のかからない商品がほとんど。
「信託報酬」は、投資信託を持っている間、毎日かかるコストですが、iDeCoでは若干低く設定されています。
よって、投信積立(投資信託自動積立)をするならば、iDeCoで始めた方がお得です。
職場復帰したときには所得控除あり
4つめは、職場復帰した際に所得控除の効果が得られることです。
今、注目を集めているキーワードに「人生100年時代」があります。働き方も多様化し、会社員・公務員の働き方が全てではありません。フリーランスという働き方もあります。
働きたくても働けない場合は仕方ないですが、働けるうちは働いた方が良いと個人的には思います。また、人生100年もあれば何が起こるかわかりませんし、その時に自分自身の資産をしっかりと築いていることは大切になってきます。
掛け金上限額での加入がおすすめ
専業主婦(夫)になると収入がなくなるので、iDeCoを始めるとなった場合、最低加入金額の5000円からスタートしたいという人は少なくありません。
少額から始めたいという気持ちはわかりますが、iDeCoでは、毎月口座管理手数料がかかりますし、運用する商品に投資信託を選んだ場合には、信託報酬が毎日かかります。それを考慮すると、少ない掛け金だと、コスト負担が大きいため、積極運用にしなければメリットが得にくいかもしれません。
家計状況にもよりますが、専業主婦(夫)がiDeCoに加入する場合には、掛け金は最低でも1万円、可能ならば上限の2万3000円で設定できるとよいでしょう。
ずっと専業主婦になる場合の掛け金は?
iDeCoのメリットもわかったし、掛け金も多く支払った方がよいのはわかったけれど、収入がない専業主婦の場合、掛け金自体の捻出が難しいというケースもあることでしょう。
その場合には、夫からiDeCoの掛け金相当の額を贈与してもらう方法があります。贈与税は1人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。つまり、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。
この贈与税の非課税枠を使い、夫から掛け金分を贈与してもらい、妻がiDeCoに加入し、妻自身で掛け金を積み立てるという方法です。
ただし、注意してほしいことは、毎年、一定額の贈与を受け続けると、基礎控除額を上回る金額を分割でもらっていたとみなされ(連年贈与といいます)、贈与税が課される恐れがあるため、3年に1回や4年に1回、110万円の範囲でまとめてもらうのがいいでしょう。
その場合、夫からもらったことが証明できるように、夫の銀行口座から妻の銀行口座へ振り込んでもらうようにします。
これから結婚・出産を経て専業主婦になったとしてもiDeCoに加入するべきだと思います。100年時代を生き抜くには、お金自身に働いてもらうことは必須です。
何事もそうですが、最初の一歩が肝心です。始めてみることで見える世界が変わります。iDeCoで投資を始めることは、金銭的なメリットだけでなく、投資をすることは楽しいものであると気付きも与えてくれますよ。