はじめに
上場企業も騙されるポンジスキーム
しかし、このような詐欺に引っかかるのは個人だけではありません。上場企業であるオウケイウェイヴが2022年4月19日に49億3,300万円の債権の取立不能または遅延のおそれがあると発表しました。何が起きたのかと、いろいろと資料を見てみると、資産運用を委託していた外部企業にだまし取られていたという、いわゆるポンジスキームにはまっていたのです。
ポンジスキームとは、出資者から集めたお金を運用するのではなく、そのお金を配当にまわしてあたかも運用がうまくいっているかのように見せかけて新たな出資者を集めていく詐欺の手法です。
たとえば、Aさんに1万円を出資してもらったら、1週間後に5千円を払い戻します。運用益が出たから配当をしたというのです。一見、1週間で50%の利益を得たようにみえます。すると、これだけうまくいくのなら、もっとお金を出そうと、Aさんは更に1万円を出資します。このやり取りをみたBさんも1万円を出資します。詐欺師の手元には2万5千円あるので、また1週間後にAさんとBさんに5千円ずつ配当を出します。運用しているかどうかは置いておいて、実際に高利回りの投資が実現しているように見えるので、どんどんと出資者が増えていくのです。
しかし、このスキームはいずれ限界がきます。その時になると急に連絡がとれなくなり、気づけば大損をさせられてしまうのです。