はじめに

やはり怖いのは大学生への詐欺

このようなスキームは昔からあるのですが、時代の流行に合わせて投資対象が株や不動産だったり、太陽光発電、仮想通貨、NFTなど変遷していくのです。最低限の知識があれば見抜けてしまう典型的なスキームですが、人間は欲に負けてしまい騙されてしまうのです。

日本各地で詐欺被害が報じられているのをみて筆者が怖いと感じるのは、大学生の詐欺被害です。今年の4月から成年年齢が18歳に引き下げられました。この結果、大学1年生、2年生が契約をしてしまった時に、未成年だからという理由で事後的に契約を解消することができなくなってしまったのです。

最近は詐欺師がSNSなどを活用しているため、知識がなく、警戒感が薄い大学生が更に詐欺の被害にあってしまうのではないかと心配でなりません。大学のうちから投資を学び、早々に資産運用を始めている学生が増えていますが、その前にお金を守る知恵をつけて欲しいなと思うのです。

お金の使い方を考えよう

元本保証や短期間で高いリターンを提示されてしまうと、ついつい気持ちが揺れ動いてしまうのは仕方がありません。あり得ないとわかっていても、この話だけは本当かもしれない、と都合よく物事を解釈してしまう人間の欲深さや軽薄さも仕方のないと思います。

そのような時は、果たして自分は何に投資をしようとしているのか、根本的な問いを自分に向けて欲しいのです。たとえば、株式投資であれば、上場企業の株式に投資をしていて、そこには企業が抱える資産という裏付けがあるわけです。ただ、よくある詐欺の投資スキームには実態がないことが多く、提示されるのは元本保証や高いリターンと言った言葉だけです。

せっかく大事なお金を投じるのであれば、しっかりと実体のあるものに投資をしましょう。それは必ずしも株や投資信託だけではありません。食事やトレーニング、英会話やプログラミングの勉強にお金をかけることで自分の健康が増進されたり、知識やスキルが向上したりします。筆者はそのような自己投資も含めて、しっかりと何に投資をするのかを選択できる能力を身につけさせることが金融教育だと考えるのです。

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