はじめに
家計簿は細かくつけ過ぎず、家計の全体が分かるように
家計簿をつけているようですが、1円単位まできっちりつけ、合計額などが合わないとスッキリしない、という感じでしょうか。1円単位までこだわっていると、記録をする、集計をぴったりと合わせることで満足してしまい、支出を把握する、振り返るという本来の目的にならないことも多々あるのです。目的と手段の履き違えにならないようにしたいところです。
細かく数字を書くことが悪いわけではありませんが、それで支出の振り返りができないのなら意味がありません。家計簿との付き合い方を今一度、考えてみましょう。
家計簿は、何にいくらくらい使って生活をして、自分たちはどういうことにお金を使う傾向があるのかということを知る。そのうえでムダな支出はどれか、削減できることはないか、または継続すべき支出はどれかなどを考えていくことに役立てます。
家計簿をきっちりつけすぎて、利用の仕方が分からなくなってしまうのなら、私が提唱する「家計の三分法」という判断軸を利用するのも手です。支出を3つの意味で分けていくため、必要な支出、ムダ支出などの判断が付きやすくなります。
支出を見極める「家計の三分法」って?
家計の三分法は、支出を「消費」「浪費」「投資」の3つに分けるだけの、簡単な家計管理法です。
消費:生活に必要な支出。例えば適正な食費、日用品代、家賃、通信費など
浪費:いわゆるムダづかい。過剰な食費やし好品代、ギャンブルなど
投資:将来につながる支出です。自己投資、預貯金、金融投資など
費目ではなく、支出の意味や価値で振り分けるだけなので、今まで家計簿をつけたことがないという人も簡単にできるやり方です。
記録が面倒であれば、3つの箱を用意して、支出の意味に合わせてレシートを入れておけば、簡単に集計できます。
これには理想的な割合があり、年収800万円ほどまでの場合は、消費が70%、浪費は5%、投資は25%です。この投資のうち、約15%は貯金や金融投資など、資産形成に充てるのが理想です。年収が800万円を超えると、理想の割合は変化します。消費の割合が減り、投資の割合が増えます。