はじめに

自分の得意分野を認識し、活用している人

自分の得意分野を認識し、周囲からも認められ、活用している人は、ありがたい50代です。自分は何が得意なのかをしっかりと把握し、「これに関しては僕に任せてくれ」「俺がやってみるわ」と言ってくれる。○○を頼めばやってくれる。

苦手分野も認識し、それに関しては致命傷にならないように努力し、得意分野できちんと成果を出す。自分を客観的に捉えることができ、それを仕事に活かしている。

このような50代は、「素晴らしい」(20代・男性)、「頼りやすい」(20代・女性)、「仕事ができて、とても憧れである」(20代・女性)、「社内の調整役として感謝しています」(30代・男性)と、若い世代からも高く評価されています。

一方、困るのは、何ができるのかわからない50代です。

今回のアンケートでも、50代社員に対して「存在価値が謎」(20代・男性)、「働かなさすぎる」(20代・男性)、「何もしてないし正直困る」(30代・男性)、「役に立たない」(40代・男性)といった厳しい声が多数ありました。これは会社にとっても同じです。

「何ができるのかわからない」は、20代ならまだしも、50代にもなってそれでは困ります。何ができるのか、何が得意なのか、自他共に認められなくてはいけません。「これだったら、あの人にお願いしよう」という存在にならなければ、先行きは非常に危ういです。

50代になったら、キャリアの棚卸しが必要です。

これまでの仕事を振り返り、自分は何が得意なのか、何が苦手なのか、「できることリスト」と「苦手なことリスト」を書き出してみましょう。

考えるだけでなく、書くことが大事です。人間は書くことによって脳にインプットされ、明確に認識できます。たとえ自己評価が低い人であっても、20年、30年と働いてきたのですから、得意なことは絶対にあるはずです。「自分にできることは何だろう」「若い人に教えられることは何だろう」と考えて、改めて言葉にしてみてください。

苦手なことを認識することによって、努力して克服するなり、致命傷にならないレベルまで身につけるなり、具体的な行動に移すことができます。「得意なこと」と「苦手なこと」を示してくれれば、周囲も「じゃあ、これお願いします」と言えますし、本当に苦手なことなら頼みません。それによって社内のポジションや職場における役割を明確にすることができます。

ただし、苦手なことを逆手にとって「俺はできないからやらない」といった開き直った態度はNGです。そういう態度が「積極的ではない」(20代・男性)、「デジタルツールの導入を忌避する傾向があり、今後のIT化の弊害になる」(20代・女性)、「新たな知識を取り入れようとしない」(30代・女性)、「保守的。自分で学ぶ気がないように感じる」(30代・女性)というように、若い世代からの批判の的になるのです。

苦手なことを認識し、拒否することと、迷惑にならないように努力することは、全然違う話です。謙虚に学ぶ姿勢は、50代にとって特に必要となります。

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