はじめに
過去のボラティリティが高い相場
過去の主な高値としては2001年の米同時多発テロが49.35、2003年のイラク戦争勃発が30.40、2008年のリーマン破綻が42.16、史上最高値が2008年10月24日の世界金融危機で89.53です。その後も2011年10月のギリシャのデフォルト危機で46.88、2015年8月のチャイナショックが53.29となりました。直近では2020年3月のコロナ・ショックで85.47となっています。
TradingViewより
一方で、VIX指数が10を割り込むほど低下するとリスクオン(積極的にリターンを求め、リスクを取ることが好まれる相場状況)の流れになりがちです。
しかし投資家が安心している状況で、低水準だった2006年末のあとは、ご存知リーマンショックがありましたので、10を割り込む水準になった際も「そろそろボラティリティ高い時期が来るかもしれない」と、慎重に考えると良いかもしれません。
日本市場でも、ボラティリティの大きさを表す指数があります。VIX指数と同様の手法で、2010年11月から日経平均について算出されるようになった指数が「日経ボラティリティインデックス(日経VI)」です。日本株に投資されている方はこちらもチェックすると投資の参考になるのではないでしょうか。
TradingViewより
6月13日週「相場の値動き」おさらい
6月16日(木)のダウ平均は、前日比741ドル安の2万9927ドルと大幅に下落。節目の3万ドルを割り込み、年初来安値(2020年12月以来の安値)をつけました。
6月のFOMCが通常の3倍の0.75%の大幅利上げ、次の7月FOMCでは0.5ポイントか0.75ポイントとなる見通しが示されるタカ派な内容だったものの悪材料でつくしで15日の米市場は反発。ただ一夜明けて改めてリセッション懸念が広がった形のようです。
またスイス中銀が2007年以来はじめての利上げをしたことや、英国も政策金利引き上げを決定したことも世界経済の先行き懸念につながっているよう。
6月17日(金)の日銀への注目度が一層上がったと感じましたが、日銀金融政策決定会合では大規模緩和を継続する方針、現状維持となりました。
6月17日(金)の日経平均株価は、前日比468円20銭安の2万5963円00銭。節目の2万6千円をあっという間に割り込みました。6月10日(金)の日経平均株価は2万7824円29銭でしたので週間では1861円29銭の下落でした。
なお、執筆している2022年6月17日(金)15:30時点でのVIX指数は32.84、日経VIは27.31となっています。